印刷をすること
こんにちは。キリュウです。
先日アクリルプリントについてのおはなしをしましたが、今日は私にとっての印刷をするという工程のおはなし。
前回一緒に書こうと思ったのですが、ものすごい脱線してしまう気がしたので分けました。
楽しいはなしかどうかは微妙ですが、ふ〜んくらいに思っていただければ。
●アナログコンプレックス
展示会を見たり参加したりするたびに感じるのが、アナログ原画のパワーです。
筆の跡や絵の具の重なりなど、原画には写真データではわからない力があるように思います。平面作品でも、物として存在している感じというか。
また、唯一無二であるということも原画ならではです。
今この場にしか存在していない、次いつ見れるかわからない。そうなると見に行こうと思う人も多くなるかと思います。
こういった点でデジタルイラストは、アナログ原画よりも見応えが劣ると思っていました。
もちろん私はデジタルイラストを見ることも好きですし、全ての絵がアナログ原画見劣りしてしまう訳ではありません。単に私のイラストにパワーが足りないだけかもしれません。
ですが、やはり頭の片隅で『複製品だから』と考えてしまっているのだと思います。
●複製品なりの価値を
デジタルイラストはデータですので、いくらでもコピーができてしまいます。
最近はNFTも出てきて、データの唯一性を証明できるようになってもいますが、それはあくまでもマーケットで取引されているデータの話。
私の手元にあるデータは、いくらでも複製して印刷することができるのです。
●デジタル作品を印刷=劣化?
デジタルイラストを飾るとなれば、大体は印刷をすることになります。
今モニターに映したりもできますが、会場や電源の問題もあるのでどこでもそうできるとは限りません。
しかしデジタルで描いた絵はモニター上で見るのが一番美しく正しい状態であることは言うまでもありません。それも作者の作業環境で見た時が一番キレイ。違うパソコンに持っていったりスマホで見たりすれば、見え方も変わってしまいます。
デジタル同士でもこんな感じなら、印刷はもっと大変。画面表示と印刷でカラーモードが異なるので、調整をしたりしなければなりません。
そうなるとわざわざデジタルイラストを印刷して飾る意味とは…?
印刷したデジタルイラストの価値とは…?
ずっと考えていますが、最近落ち着いた考えがこちら。
●観賞用グッズ
好きなアイドルのポスターを買って飾るような感覚です。
唯一無二にはならないので、ちょっとリッチな会場限定グッズといった立ち位置。
というような考え方が今のキリュウの展示作品の立ち位置です。
展示会のときは、こんなことをうんうんと考えています。
今後の技術の進歩で考え方はどんどん変わります。
もうバーチャル展示場とかもありますからね。
それでも実際に在る姿を見ることが好きなので、今後もうんうん考えていきます。
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