おいしいパンを描く
こんにちは。キリュウです。
6月からちょっとずつ描いてた絵が描き終わりました。見てください。
タイトルがあれですが、メイキング的な説明を期待した方はすみません。
パンを描くときに考えていたことのお話です。
データはあるので作業の過程はまた今度紹介できたらと思っています。
●おいしい絵が描きたい
この絵の発端はこれ。おいしいものを描きたいなぁと思ったことです。
食べ物の絵を見るのが好きで、おいしいものをおいしそうに描けるってすごいな〜と思っていました。
そういえば食べ物をしっかり描いた絵がないな、自分が描くってなったらどんなふうに描くかな。と思って描き始めました。
今まで描いてきた絵の食べ物は、どちらかと言うと記号のようなものでした。
たとえば、夏の季節感を出す為に持たせるアイスだったり、女子高生にタピオカを持たせたり。
メインはキャラクターだったり、全体の雰囲気だったりする絵では、「おいしい食べ物」にしなくてよかったのです。
しかし今回は食べ物がメイン(キャラクター大きいけど)。「おいしく描けていること」がいい絵になる条件でした。
●どうすればおいしい絵になるのか
まずは食べること。食べて「おいしい」を体感することです。
次にその「おいしい」がどうしておいしいのか考えることです。
●具体的には…
上の絵で言うと、どのパンも実際に食べたパン屋さんのパンをモデルにしています。
ダッシュボード上のベリーのデニッシュは、1番好きなパン屋のフルーツデニッシュがモデルです。
そこのフルーツデニッシュは、お店に入って1番最初に目につく場所に並んでいるのですが、窓からの光で宝石みたいにキラキラしておいしそうです。
ツヤがあってキラキラしているとおいしそうに見えるようです。
それからバゲットサンド。
前にブログで書きましたがハードパンが大好きです。匂いとパリパリもちもちがたまりません。
実際に買って帰って家で見たフランスパンは、絵に描いたほどオレンジ色ではありません。
でもパン屋さんではそんなふうに見えた気がしました。
●本物らしさってなんだ?
お店でおいしいそうだったパン。どっちも同じパンなのに見え方の違いは何か?
今回の私の場合は照明でした。
例えばスーパーなんかで、生鮮食品のコーナーに使われている照明はオーロラライトと言うらしいです。
このライト、簡単に言うと「食べ物がおいしそうに見えるライト」とのこと。
お刺身やお肉、野菜の色が鮮やかに見えて、新鮮でおいしそうに見えるそうです。
パン屋さんがそのライトだったかはわかりませんが、少なくとも昼光色〜電球色くらいの暖かい色の照明でした。
と言うことは、色が鮮やかで暖かみがあるとおいしそうに見えるのかな、となります。
そういえば、テレビで食レポをしてるときに映る食べ物とかも、めちゃめちゃおいしそうに見えますよね。
暖かい食べ物は湯気が映るとおいしそうに見えるとか、ハンバーグのジューシーさを伝えるために押して肉汁を流れさせるとか、ある程度のお決まりがあるらしいです。
●リアルとは…?
こんなふうにおいしそうに見せるための方法を考えていると、実物の通りに描くだけがおいしい絵ではないようです。
というのも、描く人や見る人の気持ちが乗っかって、「おいしそう」に見えるからです。
食べ物がおいしそうに見えるのは、憧れの人がキラキラして見えることと似ているかなと思います。
苦手なものや興味のない人には、写実的なだけでは魅力的には見えないのかもしれません。
なので、「こんなに魅力的なんです!!」という熱い思いのフィルターを通して見た姿を描く。
自分の感じたリアルな気持ちや、「あるある〜」と思える共感ポイントを上乗せして、苦手な人にちょっといいかも?と思わせるような演出をかけるわけです。
●まとめると
あれこれ考えましたが、ある程度のお決まりは頭に入れつつ「私が考える最強においしいパン」の姿を描きました。
なんか結局力技みたいになってしまいましたが、完成後「おいしそう!」というお言葉をいただけてとても嬉しいです。
見た人が「おいしそう」と思う絵にできたのかなと思って満足しています。
メイキングはまた今度。
それでは。
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